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14. 亜鉛めっきの規格は?

溶融亜鉛めっきに関するJIS規格は、平成19年1月20日に改正されました。
従来の「JIS H 9124:1999溶融亜鉛めっき作業指針」の内容を、「JIS H 8641:2007溶融亜鉛めっき(以下、JIS H 8641という。)」に盛り込み、「JIS H 0401:2007溶融亜鉛めっき試験方法(以下、JIS H 0401という。)」と2規格になりました。JIS H 8641は、溶融亜鉛めっきの品質を規定し、JIS H 0401は溶融亜鉛めっきの試験方法について規定しています。

1. JIS H 8641
 JIS H 8641は、連続溶融亜鉛めっき鋼板、亜鉛めっき鉄線類及び亜鉛めっき鋼線類を除くすべての鋼材及び鋼材加工品に適用され、めっきの品質について外観、付着量及び硫酸銅試験回数、密着性及び仕上げの4項目を規定しています。

(1) 外観
「めっきの外観は、受渡当事者間の協定による用途に対して使用上支障のある不めっきなどがあってはならない。また、めっき表面に現れる耐食性にはほとんど影響のない、濃淡のくすみ(やけなど)及び湿気によるしみ(白さびなど)によって合否を判定してはならない。」と規定し、「めっきの主目的は、耐食性にあり、美観的要求事項を満足させることではない。また、装飾の目的で施されるものでもない。めっきは表面素材を滑らかにすると考えがちであるが、素材表面より良くならないのが普通である。」としています。

(2) 付着量及び硫酸銅試験回数
 めっきの種類は表1に示すように1種と2種があります。めっき加工に際してどの規格を採用するかは適用例に示す素材の厚さによりますが、使用環境、使用条件並びに必要耐用年数なども加味して決定されます。
表2は、付着量及び硫酸銅試験回数を示しています。1種は硫酸銅試験回数、2種は亜鉛付着量を規定しています。1種の硫酸銅試験回数は、硫酸銅試験で硫酸銅試験液への浸せき回数を規定しています。この試験は、一般的にボルトやナットまたは形状が複雑な小物類で、表面積の計算が難しく、亜鉛の付着量測定が困難な製品に適用されます。
また、付着量は、付着量試験方法により試験をして、単位面積当たりに付着しているめっき皮膜の質量を「g/m2」で表します。付着量の種類には、350g/m2以上から550g/m2以上の5種類があります。

(3) 密着性
「めっき皮膜は、素材表面とよく密着し、通常の取扱いでは、はく離又はき裂を生じないものでなければならない。」とし、試験方法には「目視による方法」、「曲げ試験」、「ハンマ試験」があります。

(4) 仕上げ
  「通常、めっきは、危険な鋭利なたれを除き、グラインダ、やすりなどを使用する仕上げは行わない。 ただし、不めっき及び接合する部分のたれなど指定された用途に対して使用上支障がある場合には、受渡当事者間の協定によって、仕上げ方法を決定する。また、めっき後、塗装が行われるもの、景観材料などとして使われるものについても、事前に受渡当事者間で仕上げについての仕様を決定する。」と規定されています。また、めっき不良品の補修と処置に関し、「補修を行うことができる不めっき部は、通常、製品全表面積の0.5%までとし、各々の不めっき部分の面積は、5cm2以下とする。」、また、処置については、「不めっき部の面積が製品全表面積の0.5%を超える場合、又は各々の不めっき部分の面積が、5cm2を超える不めっき部の処置については、受渡当事者間の協定によって補修するか又は再めっきするかを決める。」とし、「不めっき部の補修方法は、高濃度亜鉛末塗料を用いるか、又は亜鉛溶射などを行う。」「不めっき以外の不良品の処置は、受渡当事者間の協定による。」としています。
2. JIS H 0401
 JIS H 0401では、鋼材及び鋼材加工品に施した溶融亜鉛めっきの試験方法として、原国際規格が規定する付着量試験方法(間接法)のほかに、原国際規格が規定していない付着量試験方法(直接法)、付着量試験方法(磁力式厚さ試験)、硫酸銅試験方法、密着性試験方法(目視による方法)、密着性試験方法(曲げ試験)、密着性試験方法(ハンマ試験)及び性状試験方法(アルカリ試験)を追加規定するとともに、密着性試験の判定基準が新たに規定されました。

表1 種類及び記号

種類 記号 適用例(参考)
1種A HDZ A 厚さ5mm以下の鋼材・鋼製品、鋼管類、直径12mm以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを超える座金類。
1種B HDZ B 厚さ5mmを超える鋼材・鋼製品、鋼管類及び鋳鍛造品類。
2種35 HDZ 35 厚さ1mm以上2mm以下の鋼材・鋼製品、直径12mm以上のボルト・ナット及び厚さ2.3mmを超える座金類。
2種40 HDZ 40 厚さ2mmを超え3mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
2種45 HDZ 45 厚さ3mmを超え5mm以下の鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
2種50 HDZ 50 厚さ5mmを超える鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
2種55 HDZ 55 過酷な腐食環境下で使用される鋼材・鋼製品及び鋳鍛造品類。
備考 1. HDZ 55のめっきを要求するものは、素材の厚さ6mm以上であることが望ましい。素材の厚さが6mm未満のものに適用する場合は、事前に受渡当事者間の協定による。
2. 表中、適用例の欄で示す厚さ及び直径は、呼称寸法による。
3. 過酷な腐食環境は、海塩粒子濃度の高い海岸、凍結防止剤の散布される地域などをいう。

表2 付着量及び硫酸銅試験回数

種類 記号 硫酸銅
試験回数
付着量
(g/m2
平均めっき
膜厚μm(参考)
1種A HDZ A 4回 - 28〜42
1種B HDZ B 5回 - 35〜49
2種35 HDZ 35 - 350以上 49以上
2種40 HDZ 40 - 400以上 56以上
2種45 HDZ 45 - 450以上 63以上
2種50 HDZ 50 - 500以上 69以上
2種55 HDZ 55 - 550以上 76以上
備考 1. めっき膜厚とは、めっき表面から素材表面までの距離をいう。
2. 1種A及び1種Bの平均めっき膜厚欄の数値は、硫酸銅試験回数から推定した最小めっき皮膜厚さの範囲を示す。
3. 平均めっき膜厚は、めっき皮膜の密度を7.2g/cm3として、付着量を除した値を示す。

(上記、内容については、(財)日本規格協会の許諾を得て、溶融亜鉛めっきJIS H 8641:2007及び溶融亜鉛めっき試験 方法JIS H 0401:2007より引用、転載しています。詳細については、JIS規格をご参照下さい。)


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