一般社団法人 日本溶融亜鉛鍍金協会
HOME > 亜鉛めっきについて > 溶融亜鉛めっきの規格

溶融亜鉛めっきの規格


1. JIS H 8641(溶融亜鉛めっき)及びJIS H 0401(溶融亜鉛めっき試験方法)の改正

 令和3年12月20日付で溶融亜鉛めっきに関する日本産業規格(JIS規格:JIS H 8641及びJIS H 0401)が改正されました。主な改正内容は以下のとおりですが、規定内容の詳細については、それぞれのJIS規格をご確認ください。

1) JIS H 8641(溶融亜鉛めっき)
 この規格は、素材(鋼材、鋼材加工品、鋳鍛鋼品及び鋳鉄品)に防食の目的で施す溶融亜鉛めっきの有効面の品質について規定したものです。
 JIS H 8641:2007(旧規格)では、めっきの要求品質特性を硫酸銅試験の試験回数(めっきの種類が「1種」に適用)又は付着量試験による付着量(めっきの種類が「2種」に適用)と規定し、受渡当事者間の協定によって膜厚から換算して付着量を求めることも許容していますが、対応国際規格(ISO1461:2009)では、要求品質特性を膜厚とし、膜厚計によって測定する方法を主としています。現在では、膜厚計の測定精度は十分信頼でき、使用方法も簡便であるため、めっき皮膜を膜厚で管理する方法が広く普及しています。
 このような市場の実態を考慮し、今回の改正では、めっき皮膜の規定を膜厚による方法に変更し、対応国際規格に整合させました。また、溶融亜鉛めっきの品質を確認する試験方法は、この規格から分離し、JIS H 0401(溶融亜鉛めっき試験方法)に統合しました。主な改正点は、次のとおりです。

 めっきの種類は、めっき皮膜の規定を付着量から膜厚に変更するに伴い、「1種」、「2種」の区分けのない7種類とし、めっきの種類の記号も変更(表1参照)しました。
 外観の品質は、旧規格において密着性及び仕上げで規定していた要求事項も外観の箇条に含めて規定し、あってはならない欠陥をより具体的な規定内容に改めました。
 めっき皮膜の規定を付着量から膜厚に変更するに伴い、付着量、硫酸銅試験回数及び密着性のハンマ試験に関する品質規定及び関連の試験方法規定を削除しました。
 膜厚の品質規定を新たに設け、種類の記号に対応した膜厚の規定値を追加する(表1参照)とともに、膜厚の試験方法を追加しました。
  試験の規定に、めっき浴組成の分析方法を追加しました。
 なお、旧規格で規定していた付着量とこの規格で規定する膜厚との関係は、表2のとおりです。

2) JIS H 0401(溶融亜鉛めっき試験方法)
 この規格は、素材に施した溶融亜鉛めっきの試験方法について規定したものです。
 JIS H 8641が改正され、めっき皮膜の要求品質特性が付着量から膜厚に変更されたことに伴い、膜厚計を用いた膜厚試験方法を新たに規定しました。また、JIS H 8641から密着性についての規定が削除されたため、この規格からも密着性試験方法を削除しました。主な改正点は、次のとおりです。

 めっき浴組成の分析の箇条を新たに追加し、分析方法を規定しました。
  膜厚試験を新たに追加し、電磁式膜厚計を用いた試験方法を規定しました。
  均一性試験(硫酸銅試験)において、判定基準はこの規格を引用する個別規格で規定されているため、削除しました。
 密着性及び性状は、外観の目視試験によって確認することから、ハンマ試験による密着性試験方法及び性状試験方法を削除しました。

表1-種類の記号及び膜厚(JIS H 8641の表1及び表2参照)

表2-膜厚と付着量との関係(JIS H 8641の解説表1参照)


2. 亜鉛アルミニウム合金めっき(JIS H 8643)

   協会では、平成15年6月に協会規格として「溶融亜鉛-5%アルミニウム合金めっき」を作成しましたが、溶融亜鉛アルミニウム合金めっきの技術をより広く普及し、かつ、適切に理解されることを目的に、平成30年度にJIS原案を作成しました。
  このJIS原案は、令和元年11月20日に「溶融亜鉛アルミニウム合金めっき JIS H 8643 : 2019」として公示されましたので、協会規格は令和2年11月27日をもって廃止しました。
  つきましては、今後の溶融亜鉛アルミニウム合金めっき製品に対します適用規格はJIS H 8643への変更をお願いします。ただし、協会規格廃止前に需要家様から承認を得た特記仕様書、図面などによるご発注に関しましては、従来どおり協会規格によることもできるとし、その決定に関しまして受渡当事者間で協議してください。
  協会規格とJIS H 8643で規定するめっきの種類、品質を比較すれば次のとおりですが、JISの規定内容につきましては、JIS規格本体をご確認ください。

(1)めっきの種類
   協会規格では、付着量によって2種類に区分していましたが、JISでは、平均膜厚で規定する1種及び付着量で規定する2種に区分し、1種及び2種のそれぞれを3種類に分類しています。1種は膜厚の測定ができるものに適用し、2種は膜厚の測定ができないものに適用します。

(2)めっきの品質
  協会規格では、外観、付着量及び密着性で規定し、密着性は目視又はハンマ試験によってめっき皮膜と素材表面との密着性を確認していましたが、JISでは、外観、膜厚及び付着量で規定し、外観の品質に不めっき及び剝離の補修方法などの仕上げの要求事項及び密着性を包含させ、外観は目視によって試験することとしました。また、めっきの種類ごとに膜厚(平均膜厚、最小膜厚)及び付着量をそれぞれ規定しました。


3. 土木学会「亜鉛めっき鉄筋を用いるコンクリート構造物の設計・施工指針(案)」の改訂の経緯と概要

 亜鉛めっき鉄筋は、コンクリート構造物中の鉄筋腐食対策の一つとして、1970年代からその実用化が推進され、1979年に建築学会で、1980年に土木学会で、それぞれこの鉄筋を用いた鉄筋コンクリートの設計施工指針(案)が制定されました。
 その後35年が経過し、国内での亜鉛めっき鉄筋の施工実績は少ないものの、海外では多くの実績があり、また、我が国におけるコンクリート構造物の設計体系が性能照査型に移行したことから、土木学会では指針の改訂を目指し、平成28年度から30年度の3か年にわたり検討を行い、その結果を平成31年3月に刊行しました。この指針の発行によって亜鉛めっき鉄筋の普及促進が期待されます。

〇 公益社団法人 土木学会 コンクリート委員会 亜鉛めっき鉄筋指針改定委員会編
コンクリートライブラリー154
亜鉛めっき鉄筋を用いるコンクリート構造物の設計・施工指針(案)
公益社団法人 土木学会発行
丸善出版(株) 2019年3月31日
定価:5,000円+税

 入手は、以下の土木学会のリンクを参照するか、弊協会にお問い合わせください。
http://www.jsce.or.jp/publication/detail/detail.asp?id=3147

 本指針には次の内容が織り込まれています。
1. 亜鉛めっき鉄筋の適用範囲
2. 亜鉛めっき鉄筋に求められる品質
3. 耐久性照査の方法
4. 亜鉛めっき鉄筋を使用するコンクリート構造物の構造細目
5. 亜鉛めっき鉄筋の施工および管理
また、今回の検討の中で得られた亜鉛めっき鉄筋の特性などに関する新しい知見は資料編としてまとめられています。

 詳細については随時FAQに掲載する予定です。